(このコラムは連載になっています。)前の記事#7トレードコーチングについて考えることを読む
私は本業のコーチングと共に、株式トレードの初心者向けの講師をしています。
トレードについて相談される方の多くは、大きな含み損の建玉を持っていて、
かなり大変な状態でご相談にいらっしゃいます。
対応方法はかなり個別になりますが、クライアントさんの性格や
資産と含み損の状況、技量に応じてアドバイス方法を変えています。
ここでは損切りと両建ての2つの方法をご紹介します。
ご自分にしっくりくる方法を検討してみてください。
このコラムが役立つ人
・株式投資を始めようとする人
・初心者で含み損を抱えて悩んでいる人
・安定して利益を得たいと思っている人
損切りは大切、でも痛い
エントリー後に、逆に動かれてしまった場合、二つのことを考える
必要性があると思います。
一つ目は「これは一時的動きなのか?」二つ目は「見方を間違ってしまったのか?」
ということです。
そのことについて考えを書いていきます。
一つ目の「一時的な動きなのか?」ということについて
これはトレードの長さにもよると思います。数日から1、2週間でトレードを行う
スイングトレードの場合は数日間値動きを待って見ることもあると思います。
寄り付きで上昇したした後、時間が進むにつれて下落して、
引け時点では前日より下げていた、といったことも日常的に起こります。
この場合、切らないでしばらく様子を見るということもあり得ると思います。
しかし一日で手仕舞いするデイトレードの場合、初動の判断ミスをそのまま放置すると
失敗につながります。
スキャルピングやデイトレードのようなトレードする期間を短く切っている人ほど、
損切りを早く判断する必要があります。
二つ目の「見方を間違った」ことに気づいた場合です。
日足だけをみて、日足の動きが週足や月足の流れと逆だった等、
明らかに間違いを見つけた場合は迷わずに損切りをするべきです。
メンタルが邪魔して動けなくなったら
そうはいっても、含み損を切れないということもあるでしょう。
そのような時にはメンタルコーチングと似た考え方を使うこともあります。
これは最善の方法ではありませんが、含み損を抱えて身動き取れなくなっている時に
とりあえず行動をしてもらうためのアドバイスです。
(私のメンタルコーチ法についてはこちらをご覧ください)
①とりあえず一部の含み損を損切りする(1/3から1/2程度)
今は、含み損で頭の中がいっぱいになっている状態だと思います。
メンタルコーチングで頭の中のモヤモヤを外に出したように、
もやもやの原因になっている含み損をある程度切ることで
頭の中に考えるスペースペースを作ります。
含み損を抱えている玉の1/3から半分程度を辛いですが損切りしましょう。
②残った玉を両建てする(ほぼ売り買いを同数にする)
建玉を軽くした上で、一旦反対玉を立てて両建てをします。
損失を食い止めて、冷静に考える時間を作る目的です。
その上で反対玉で利益が出た場合はその利益と含み損を持った玉を相殺して、
建玉を小さくしていきます。また最初に行った方向に進む場合、
反対玉を追加して含み損を食い止めます。
③売りと買いを調整しながら玉を縮小していく
それを繰り返しながら、トレンドが終わる底・天井で売りと買いが同数になることを
目指します。
反転したら、様子を見ながら反対玉を徐々に利益確定し、その後の反転の動きで
含み損を減らしていきます。
決して利益を取ろうと欲張ることなく、損失がなくなることを目標に進めてください。
何がいけなかったのか
これを実践すると大変厳しいトレードになると思います。
辛いと思いますが、このトレードが終わった時に、今回のピンチの原因はなんだったのか
を確認することが大事です。
一番多い原因はトレンドの見間違いです。
上昇中の一時的下落、下落中の一時的上昇を「トレンドが転換した」
と思い込んでしまった為だと思います。
そこに気づくと、次回は
①エントリーする前に、長いトレンドを見る、日足だけでなく週足・月足も確認する
②間違ったと思ったら、素早く損切りするという行動に移す
という学びを得てください。
前に進めるためには
この手法は損切りと比べると難易度も高く、誰にでもおすすめとは言えない手法です。
しかし、含み損で動けなくなってしまうよりはマシな手法です。
「両建て」は含み損にビビって前に進めなくなる状態から一歩踏み出すために、
少しでもストレスが少ない形をとっています。
・一部を損切りして、頭の中に考えるスペースを作る
・両建てして、損失を増やさないように食い止め、考える時間を作る
・ 建玉を徐々に小さくしてを小さくしていく
(この場合は利益の出ている玉と含み損を相殺して、ロットを小さくして
問題を扱いやすくする)
・天井・底で売り買い同数にすることをめざして 建玉します。
反転して最初目論んだ方向に進めていく時に含み損を減らしていくことで
逃げ切りを図っていくのです。
次回以降もトレード時のメンタル・モチベーションについてお話をしていきます。
次回もぜひ読んでください。
続き 自分の心に土台を作る を読む
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